120人が追悼捧げる
東日本大震災から3年が経過した11日は日本国内のみならず、世界各国で犠牲者を追悼する行事が開かれた。同日、ここブラジルでも岩手、宮城、福島の3県人会の共催による追悼式が午後2時からサンパウロ(聖)市リベルダーデ区の宮城県人会館で行われ、約120人が出席した。式を通じて「東北がんばれ」とブラジルから被災地にメッセージを発信した。
式には日本政府を代表して佐野浩明・在聖総領事館首席領事が出席したほか、深野昭国際交流基金聖文化センター所長、菊地義治援協会長、森田隆ブラジル被爆者平和協会会長、小倉タダシ聖州技術研究所防災研究員らが来賓として出席した。
式開始の言葉で岩手県人会の千田曠曉会長は、震災によって命を奪われた人たちの冥福を祈り「私たち日系人にとっても故郷を思う心は一つです」と思いを述べた。続けて震災で命を落とした犠牲者に対して1分間の黙とうが捧げられた。
日本政府を代表してあいさつに立った佐野首席領事は「日本から遠く離れたブラジルで震災から3年たった今なお、こういう追悼を行っていただけるということ自体が、われわれ日本政府、日本の国民からしてもありがたく心強いことかと思う」と、言葉を添えた。
県連を代表して河合昭秋田県人会会長は「早いものであの日から3年を迎えたが、震災で被害に遭われた方々、私たちブラジル日系人はあなたたちのこ とを決して忘れません。そしてできるだけの支援を続けたいと思っております」と語り、言葉の最後は「日本がんばれ、東北がんばれ」と語気を強めてメッセー ジを送った。
その後、被災3県知事から寄せられた被災地復興状況報告メッセージが各県人会員の代読により報告され、時間の経過とともに着実に復興が進む各県の状況が伝えられた。
また小倉タダシ聖州防災研究員による「東日本大震災の教訓」と題したブラジルの防災に関した講演と、中沢宏一宮城県人会会長による「ブラジルと東日本大震 災」と題したスピーチの場が設けられた。最後は式出席者全員でNHKの復興支援ソング「花は咲く」を合唱し全プログラムを終えた。
モザイク
11日に行われた東日本大震災追悼式は「予想以上に多くの人が参加した」と式主催関係者が驚いた表情で発言していたが、震災から3年がたった現在でも原発の問題や26万人以上が故郷に帰れない状況を心配している人が多い証拠なのかもしれない。震災のこと以外でも当てはまるのだが、ブラジルに来て感じるのは、日本に住む日本人以上に日本を心配している人が多いということ。この事実を日本に伝えるためにも引き続き、震災に関する活動を続けてほしい。
サンパウロ新聞 2014年3月13日付